内田博幸騎手
JRAの重賞を55勝、内G1を13勝している。だがG1の勝ちは10年前とたいして変わらないし、重賞の勝ちも5年前とたいして変わらない。内田騎手が中央競馬に移籍するとき、「すごく強い、上手い」みたいに言われていたが(ある本には世界を獲れるみたいなことが書いてあった)、私はまったくそのようには感じていなかった。というかオウケンブルースリのJCの騎乗でさっそくがっかりした。私と同じように、名調教師も怒る「オウケンブルースリのJC」、「ゴールドシップのJC」の騎乗から調教師が離れていった感じだ。また移籍した時期も悪かった。馬場の高速化が進み、内田騎手のような「腕力に頼った動かし方」は、必要なくなっていった。実際、移籍当初は確かに勝ち星は目立ったが、内田騎手がG1を勝利した中でまともに高速の末脚を使ったのは「エイシンフラッシュの日本ダービー」しか見たことがない。初のG1勝ちも「ピンクカメオの稍重NHKマイルカップ」で、最近のG1勝ちも「シャンパンカラーの稍重NHKマイルカップ」だ。他は「伝説の癖馬ゴールドシップでの勝鞍、ダート、重い馬場」だ。完全に時代に合わなかったという感じだ。今ではすっかりただの脚の遅い騎手となった。ここ8年くらい、勝つときは「逃げ、または逃げに近い先行」しか見なくなってしまった。近3年の重賞成績は、勝率2%、複勝率10%。とても馬券の買える騎手ではない。年齢も年齢だし、もう上がり目はない。しかし、唯一の望みは、「時計のかかる馬場」だ。これなら脚が遅い内田騎手でも、まだ少しは剛腕が使える。逃げても差しても、明らかに時計のかかる馬場のほうが脚が速く見える。「ダイワキャグニーのエプソムカップ」などまさに内田騎手が勝つために用意された馬と条件だ。ということは、生きる道は「重馬場か福島競馬場」しかない。週末の天気が悪いことを祈るしかない。というか内田騎手は最初からこのような脚の遅い騎手だった。移籍当初は馬質がよかっただけで、すぐに馬券の皮がいや化けの皮が剥がれた。私は最初からあまり信頼してはいなかったので、数年前からの低迷は当たり前の結果だと思う。ただ、時計のかかる得意条件では頑張ってほしい。